リュネビル刺繍のフランス語

フランス発祥のリュネビル刺繍、その技法は日本においてもフランス語で表されることが多いかもしれません。
この機会に、刺繍を通してフランス語にも触れてみましょう。

かぎ状の針ーcrochet (クロシェ)

編み物のかぎ針も同じです。
Crochet de Lunéville でリュネビル刺繍針を表します。
針先の太さが数種類あり、70番(細)〜140番(太)を、糸、布、素材などに対応して変えながら
使用します。針先の着脱は、柄の先端のネジを回すことによって可能です。
針を正しい位置にセットする事が刺繍をする上で最も重要ですが、セッティングをするのが
容易く無い為、都度針を入れ替えるのでは無く、各針先に柄を準備してセットしておきましょう。
柄毎に何番の針がセットしてあるかを表示しておくと便利です。

様々なデザインの柄がありますが、自分の手に合う柄を見つけて使うと刺繍しやすくなります。

ステッチーpoint(ポワン)

ステッチのこと。ステッチの種類を表す時にも使われます。

はじまりのステッチーpoint de départ(ポワンデパー)

刺繍の始める時にする、玉止めの代わりのステッチです。
返し縫いをする様に、前後にステッチを重ねて刺繍します。
できるだけ小さく繊維1~2本分の幅でステッチすると仕上がりが目立たなくなります。

終わりのステッチーpoint d'arrêt(ポワンダレ)

刺繍の最後にする、玉止めの代わりのステッチです。
3回同じ穴に刺す事により結び目が3回重なり、しっかりと止める事ができます。
終わりのステッチが出来たら、必ず布の上で糸を切りましょう

小さなステッチーpetit point(プティポワン)

繊維1~2本分のとても小さなステッチです。
ステッチの方向を変える時や、素材をしっかりと固定したい時などに使われることが多い技法です。

チェーンステッチーpoint de chaînette(ポワンドゥシェネット)

クロシェで刺繍をすると、針を刺しながら見ている面にはチェーンステッチができます。
クロシェを垂直に抜き差しし(傾けない)、糸を引き締め過ぎない様にすると、
綺麗なチェーン状のステッチができます。布の下、クロシェを持っていない方の手で
糸を引っ張ってしまうと、ステッチが解けてしまうので注意しましょう。

ジグザグにステッチする技法ーpoint riche(ポワンリッシュ)

ワイヤーを縫い付けたり、別布を継ぎ当てる時などに使われる事が多いステッチの技法です。
なるべく細かくステッチすると、ほつれにくくなります。

糸を折り返しながらステッチする技法ーpoint tiré(ポワンティレ)

糸をスライドさせることによって、折り返しながらステッチする技法です。
鋭角部分をより綺麗に表現できる他、糸だけで並行してステッチすると、
サテンステッチの様な表現ができます。
また、複数のビーズをワンステッチで一度に刺す事もできます。
この時、先に輪郭を糸だけでステッチしておくと刺繍しやすくなります。

ステッチで面を埋める技法ーremplissage(ランプリサージュ)

塗り絵の様に、ステッチで面を塗りつぶす表現ができます。
刺繍の表面から刺して、チェーンステッチを見せる場合(Remplissage sur l’endroit)と、
裏面から刺してバックステッチを見せる場合(Remplissage sur l’envers)があります。
ステッチの幅や密度によって表現が変化を出すことか出来ます。

ランダムなステッチ方向で面を埋める技法ーvermicelle(ヴェルミセル)

パスタ、麺類の一種の呼び名でもありますが、
リュネビル刺繍においてはランダムなステッチ方向で面を埋める技法のことを指します。
ステッチ毎に異なる方向になる様に刺繍します。(2度同じ方向にステッチしません)
この時、ステッチの線が重なったり、跨いだりしない様に注意しましょう。
糸だけでステッチすると、それ自体が独特な模様になります。
ビーズやスパンコールを使うと、不規則な方向に刺す事により、
順序良く刺し並べた時とは違う、輝きの表現ができるのが特徴です。
素材のサイズや、表現したい密度によってステッチの幅を変えます。

連続で同じ方向に刺し並べる技法ーrivière(リヴィエール)

川(rivière)の様に、スパンコールを並行に同じ向きに刺し並べたい場合に使う技法です。
1列目を刺し終わったら、糸のみでチェーンステッチをして2列目の始点に戻る事により、
都度糸を切らずに、続けて2列目以降も1列目と同じ向きに刺し並べる事ができます。

鱗状に縫い付ける技法ーécaille(エカイユ)

point tiré を利用しながらステッチすることによって、
魚の鱗の様にスパンコールを重ねる事ができます。
バランスを見ながらステッチする必要があり、手間は掛かりますが
複雑な重なり方がとても魅力的に表現出来ます。

ビーズとスパンコールを組み合わせて立体的に刺す技法ーpoint mousse(ポワンムース)

はじめに、vermicelle でビーズを間隔を空けてステッチします。
次に、空いている場所に同じくvermicelle でスパンコールをステッチしていくと、
自然とビーズにスパンコールが寄り掛かり、立体的に縫い付けることが出来ます。

ビーズを積み重ねて刺す技法ーcaviar(キャビア)

キャビア(caviar)の様に、ビーズを立体的にステッチする技法です。
先にvermicelle でビーズを刺した後、
もう一度ビーズを隙間に入れ込む様にvermicelle で刺して足していきます。
2度目は、ビーズをまとめて数粒ステッチすることによって、
よりボリュームや高さを出す場合もあります。
1段目のビーズが詰め物の役割をし、ふっくらとした立体的な印象になります。
リュネビル刺繍を知ることは、フランスの文化にも触れる機会になります。
憧れのルサージュで学ぶ機会もいつか訪れるかもしれません!
リュネビル刺繍のやり方は【小さな手芸屋さん】のYoutube動画でもご覧いただけます。
いつか思い描く素敵な作品ができるように、練習や作品作りを習慣にしましょう!

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