オートクチュール刺繍とは

ため息がでるほどの豪華さ・・・
オートクチュール刺繍とは、シャネルやディオール、サンローランのオートクチュール(高級仕立て服)を手がけるアトリエで長い間培われて来たフランス伝統の刺繍のひとつです。

クロシェという特殊なかぎ針を使って、たくさんのビーズやスパンコールを生地の裏側から刺繍する独特の手法(リュネヴィル刺繍)が用いられます。

このリュネヴィル刺繍という手法は、1800年代のフランス、リュネヴィルという街で発祥しました。 それ以来、通常の針を使ってビーズなどを刺繍するよりも速く・正確に刺すことが可能になり、素晴らしい刺繍が施されたドレスがたくさん生み出されています。

オートクチュールという高級モードの最高峰の世界で、いつの時代も最先端を求めるデザイナーの要求に応える為、様々なテクニックや表現方法が熟練の職人によって育まれてきました。

ファッションの進化とともに発展してきたオートクチュール刺繍。ため息がでるほど豪華な刺繍を可能にした、デザイナーの冒険心と好奇心、職人の技術と魂が宿る世界でもあります。



オートクチュール刺繍をはじめるために




特殊な道具

クロシェ(かぎ針)

■ クロシェ(かぎ針)


「クロシェ・ド・リュネビル」という特殊なかぎ針を使用します。利き手でペンのように持ちながら、もう片方の手でかぎ針の先端に糸をひっかけ、両手を動かしてステッチをします。普通の針でビーズ刺繍するよりも、素早く正確にラインが描けるのが大きな特徴です。


刺繍枠

■ 刺繍枠


クロシェを使うためには、手で持たずに作業する事ができる刺繍枠が必要です。机にはさんで固定する物や、足付きの物、台の上にテーブルのように据えて使用する枠などさまざまあります。初心者の方にオススメなのは、腿の下にはさんで使う足付きの枠です。作業する場所を選ばず、使わない時にはコンパクトに収納できます。


糸立て

■ 糸立て


糸を枠に据えるために必要な道具です。クロシェでの刺繍は、枠の近くで糸をスルスルと引き出しながらステッチします。机や枠の上に置きながら作業するという手もありますが、そうすると引っ張った途端にボビンが転がって行ったり、スムーズに糸を繰り出すせないので若干イラっとします。私のように気の短い方はぜひ揃えて頂きたい道具のひとつです。


よく使う材料

糸・・・フィラガン(fil a gant)

■ 糸・・・フィラガン(fil a gant)


表面がコーティングされ、ミシン糸よりも細く毛羽立ちのないこの糸はクロシェで使うのにもってこいです。普通の糸はかぎ針によくひっかかり、作業もはかどりません。クロシェで他の糸を使って刺繍する事も可能ですが、適度な強度があり生地通りも滑らかなフィラガンは、ビーズやスパンコールを刺繍するとき、初心者の方が練習する場合に優れた威力を発揮してくれます。


糸通しビーズ

■ 糸通しビーズ


クロシェで刺繍する際には、あらかじめビーズを糸に通しておく事が必要です。バラバラなビーズを一粒づつビーズ針で通す、、、というのはかなりの時間の無駄です。すでに糸に通った状態のビーズであれば簡単にフィラガンなどの刺繍糸に移し替える事ができます。当店では、チェコ製の糸通しビーズをはじめ、貴重なヴィンテージ品などさまざまなバリエーションをご用意しております。


糸通しスパンコール

■ 糸通しスパンコール


ビーズと同様、スパンコールも糸に通っている物が欠かせません。特にスパンコールの場合は、表裏を揃えて糸に通さねばなりませんので、糸通しスパンコールは便利な必需品とも言えます。当店は主にフランス製のスパンコールを取り扱っております。日本人では表現できない絶妙なカラーリング、貝調やサテン調、ミルキーな不透明な物まで、見ているだけでもうっとりな輝きのスパンコールが多く存在します。


生地

■ 生地


オートクチュール刺繍では素材の制限はありません。ペラペラの薄地でも、固いキルティングされた生地でも皮革でも、お好きな物をお使い下さい。(ただし、カットソーやニットは枠にはめた時に伸びきってしまうのでオススメはしません。)初心者の方でしたら、手元の透けるオーガンジーがベストです。オーガンジーは、生地の縦横の繊維が強燃されたハリのある平織り素材で、その強度からよくオートクチュール刺繍に用いられます。


オートクチュール刺繍作品ギャラリー


オートクチュール刺繍の作品ギャラリー


オートクチュール刺繍・ビーズ刺繍の専門店

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